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RETO RUNNING CLUBでは第9クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第9クールとなる2024年5月から2024年7月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会や定期的に開催している合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ■申込みリンクhttps://forms.gle/TFGGwa89WKvmrTzNA ■第9クールスケジュール☆公式練習会2024年5月7日(火)2024年5月20日(月)2024年6月3日(月)2024年6月17日(月)2024年7月1日(月)2024年7月22日(月) ※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的に皇居(二重橋周辺)で行います ☆合宿6月8日(土)〜9日(日)※参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ☆個別練習会5月11日(土)トレイル5月24日(金)6月13日(木)6月29日(土)トレイル7月11日(木)7月27日(土)※現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です※参加される場合は別途費用がかかります ☆オンラインセッション走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。過去のアーカイブも視聴できます。 ■費用¥27,000(税込)※第9クール期間(2024年5月~2024年7月)分※お支払い方法は当選者にご連絡いたします ■募集クラスA+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B+:sub3:20/B:sub3:30/C:sub4:00※練習会では各チームのフルマラソン目標に沿ったトレーニングを実施いたします。 ■募集期間2024年4月21日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より4月中に選考結果を連絡いたします。 お問い合わせ:RETO RUNNING CLUB事務局/info@reto-sports.jp頂いた情報はRETO RUNNING CLUBの選考と運営以外には一切使用しません。
RETO RUNNING CLUBでは第9クールのメンバーを募集します
RETOが主宰するRETO RUNNING CLUBでは、第9クールとなる2024年5月から2024年7月のメンバーを募集します。 クラブの合言葉は「Challenge is success」(挑戦は成功だ)。クラブ活動を通じて「目標達成をサポートすること」と「メンバーの人生を豊かにできるコミュニティであること」を理念に掲げて運営しています。 月2回の公式練習会や定期的に開催している合宿、専門家によるオンライン講習に加え、メンバーによる自主練習会も開催されています。マラソンで目標を達成し、さらに充実したライフスタイルをおくりたい方のご応募をお待ちしています。 ■申込みリンクhttps://forms.gle/TFGGwa89WKvmrTzNA ■第9クールスケジュール☆公式練習会2024年5月7日(火)2024年5月20日(月)2024年6月3日(月)2024年6月17日(月)2024年7月1日(月)2024年7月22日(月) ※練習時間は、19時30分~21時頃を予定※練習場所は、基本的に皇居(二重橋周辺)で行います ☆合宿6月8日(土)〜9日(日)※参加する場合、費用は別途お支払い頂きます。 ☆個別練習会5月11日(土)トレイル5月24日(金)6月13日(木)6月29日(土)トレイル7月11日(木)7月27日(土)※現役のトレイルランナーである田村コーチによる練習会です※参加される場合は別途費用がかかります ☆オンラインセッション走るために必要な知識を学ぶ講座やフィジカルトレーニングを行うオンラインセッションを実施します。過去のアーカイブも視聴できます。 ■費用¥27,000(税込)※第9クール期間(2024年5月~2024年7月)分※お支払い方法は当選者にご連絡いたします ■募集クラスA+:sub2:50/A1:sub3:00/A2:sub3:10/B+:sub3:20/B:sub3:30/C:sub4:00※練習会では各チームのフルマラソン目標に沿ったトレーニングを実施いたします。 ■募集期間2024年4月21日(日)迄選考結果:応募締切後、コーチによるセレクションを行い、事務局より4月中に選考結果を連絡いたします。 お問い合わせ:RETO RUNNING CLUB事務局/info@reto-sports.jp頂いた情報はRETO RUNNING CLUBの選考と運営以外には一切使用しません。
「血液検査で自分を知る」 ~パーフォーマンス低下の原因、欝発症、そして復帰へ~
Text: Shun Sato RUNNERS MEDICAL REPORT マラソン、陸上長距離などの持久系種目では、ケガだけでなく、貧血などの内科的疾患のリスクも高く、実業団に所属するエリート選手や高校、大学で本格的に競技に取り組んでいる選手は、定期的に血液検査を行っていることが多い。だるさ、息切れ、記録が伸びないなどの自覚症状が出て、ヘモグロビンなどの採血項目で数値に異常が出た場合、それを改善することで体調やスポーツパフォーマンスの回復に結びつけることができるからだ。 市民ランナーも体調が思わしくなくなったり、思うように走れないと悩んだ時、血液検査を受けることで見えない何かを明確にしてくれるので、実際に受けている人が多い。RETO RUNNING CLUBのAさんも血液検査によって、パフォーマンス低下の原因が分かった。 感じたパフォーマンスの低下 Aさんが体に異変を感じたのは、2023年6月だった。 練習中にいきなり足が攣ったり、今までこなせていた練習に体がついていかなくなった。その後、ハーフマラソンのレースに出場したが、体が動かなくなり、14キロで途中棄権した。 「DNFした時は、暑いのに体が慣れていないから動かないのかなぁと思ったんです。でも、7月に入って暑くなるとさらに体が重く、まったくペースを上げられなくなって、もうめちゃくちゃ頑張らないと長く、速く走れないんです。4分10秒のペースはそれまでキツくなかったんですけど、それが苦しくてパフォーマンスが上がらない。『貧血じゃない?1回(血液検査に)行ってみたら』とメンバーにいわれて、8月に初めて血液検査を受けたんです」 田畑尚吾先生の田畑クリニックで血液検査を受けた結果、ヘモグロビンの数値に異常はなく、貧血ではないことが判明した。フェリチンも血清鉄も基準値で問題なかった。田畑先生が指摘したのは、男性の市民ランナーにわりと低い数値が見られるという、ある項目だった。 「Aさんの血液検査で基準値により低い数値が出たのは、テストステロンでした」(田畑先生) 聞きなれない言葉だが、テストステロンとは、男性生殖組織の発達に重要な役割を果たすと共に、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進する男性ホルモンで、造血ホルモンでもあるため、低下すると貧血の要因にも成り得る。 テストステロン低下の症状 テストステロンはなぜ低下し、その際、どんな症状が生じるのか。 「成人男性では、女性の妊娠・出産や、閉経前後のように、性ホルモンが急激に変化するステージはないものの、20代以降、テストステロンが徐々に低下します。低下の時期やスピードには個人差があり、早ければ30代でもテストステロン低下による更年期症状(男性機能の低下、抑うつ、睡眠障害、易疲労感など)をきたすケースもあります。また、近年では、加齢のみならず、持久系スポーツをしすぎることにより、運動性のテストステロン低下が生じることも明らかになっています。Aさんは30代で、比較的若年ではありましたが、マラソンをされているということでしたので、まずはオーバーワークによる運動性ストレスが考えられました。さらに仕事による精神的なストレスも加わり、テストステロンの数値が下がってしまった可能性があります。その結果、テストステロン低下症になり、運動のパフォーマンスが落ちたりします。また、テストステロンが低い状態が続くと、造血が障害されるリスクがあるので、貧血リスクとなりますし、男性更年期と同様、体のだるさ、睡眠障害、メタボになりやすくになったりします」(田畑先生) ランニングや日常生活での制限 日本人男性では、遊離テストステロンを測定することが推奨されており、遊離テストステロンの基準値は、11.8pg/ml以上である。遊離テストステロンが8.5pg/ml未満では男性更年期が疑われるレベルだが、Aさんの検査時の数値は8.4pg/mlだった。運動でテストステロンが低下するメカニズムは現時点で明確化されていないが、ストレスにコルチゾールなどのホルモンの乱れ、運動による精巣へのメカニカルストレス、エネルギー不足などが関与していると考えられている。数値を改善していくために田畑先生からは、ランニングや日常生活について、いくつか制限すべきことを伝えられた。 「先生からは、運動ストレスを軽減するため、ランニングの追い込む練習、ポイント練習など強度が高いメニューを控えること。通常、適度なスポーツ活動はテストステロンを上昇させるため、ランニングをやめるのではなく、負荷を落とし、ジョグ程度のランは続けても良いとアドバイスをいただきました。それで様子を見て、改善しない場合、精神的なストレスが影響している可能性が高いのでメンタルケアをしながらホルモン補充療法を開始する方向で考えていきましょうということになりました」 悪化する症状 Aさんは、その後、ポイント練習をやめ、ジョグ主体に切り替えた。メンバーが強度の高い練習をこなして状態を上げ、レースに向かっていく姿を見ていると、走れないもどかしさを感じるようになった。焦る気持ちがよりストレスになったのか。運動時だけではなく、自宅にいてもめまいや冷や汗をかいたり、体のだるさを感じるようになった。 「徐々にいろんなことが悪化していくような気がしました」 9月の練習会に参加した時、ジョグすらできず、体が動かせなくなった。運動性ではなく、精神的なストレスの影響が大きいと感じ、心療内科のドアを叩いた。その際、以前の血液検査の結果を見せると、「テストステロンの数値が低下しているので、その治療をスタートした方がいい」と言われた。仕事も「お休みした方がいい」と言われ、診断書をもらい、会社に提出した。 再度、現状を確認しようと最初の検査から1か月後、血液検査を受けた。遊離テストステロンの数値は、前回の8.4pg/mlから7.8pg/mlに落ちていた。 「数値が落ちてきているので、ホルモン補充療法を開始しましょう」 田畑先生から、そう言われた。...
「血液検査で自分を知る」 ~パーフォーマンス低下の原因、欝発症、そして復帰へ~
Text: Shun Sato RUNNERS MEDICAL REPORT マラソン、陸上長距離などの持久系種目では、ケガだけでなく、貧血などの内科的疾患のリスクも高く、実業団に所属するエリート選手や高校、大学で本格的に競技に取り組んでいる選手は、定期的に血液検査を行っていることが多い。だるさ、息切れ、記録が伸びないなどの自覚症状が出て、ヘモグロビンなどの採血項目で数値に異常が出た場合、それを改善することで体調やスポーツパフォーマンスの回復に結びつけることができるからだ。 市民ランナーも体調が思わしくなくなったり、思うように走れないと悩んだ時、血液検査を受けることで見えない何かを明確にしてくれるので、実際に受けている人が多い。RETO RUNNING CLUBのAさんも血液検査によって、パフォーマンス低下の原因が分かった。 感じたパフォーマンスの低下 Aさんが体に異変を感じたのは、2023年6月だった。 練習中にいきなり足が攣ったり、今までこなせていた練習に体がついていかなくなった。その後、ハーフマラソンのレースに出場したが、体が動かなくなり、14キロで途中棄権した。 「DNFした時は、暑いのに体が慣れていないから動かないのかなぁと思ったんです。でも、7月に入って暑くなるとさらに体が重く、まったくペースを上げられなくなって、もうめちゃくちゃ頑張らないと長く、速く走れないんです。4分10秒のペースはそれまでキツくなかったんですけど、それが苦しくてパフォーマンスが上がらない。『貧血じゃない?1回(血液検査に)行ってみたら』とメンバーにいわれて、8月に初めて血液検査を受けたんです」 田畑尚吾先生の田畑クリニックで血液検査を受けた結果、ヘモグロビンの数値に異常はなく、貧血ではないことが判明した。フェリチンも血清鉄も基準値で問題なかった。田畑先生が指摘したのは、男性の市民ランナーにわりと低い数値が見られるという、ある項目だった。 「Aさんの血液検査で基準値により低い数値が出たのは、テストステロンでした」(田畑先生) 聞きなれない言葉だが、テストステロンとは、男性生殖組織の発達に重要な役割を果たすと共に、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進する男性ホルモンで、造血ホルモンでもあるため、低下すると貧血の要因にも成り得る。 テストステロン低下の症状 テストステロンはなぜ低下し、その際、どんな症状が生じるのか。 「成人男性では、女性の妊娠・出産や、閉経前後のように、性ホルモンが急激に変化するステージはないものの、20代以降、テストステロンが徐々に低下します。低下の時期やスピードには個人差があり、早ければ30代でもテストステロン低下による更年期症状(男性機能の低下、抑うつ、睡眠障害、易疲労感など)をきたすケースもあります。また、近年では、加齢のみならず、持久系スポーツをしすぎることにより、運動性のテストステロン低下が生じることも明らかになっています。Aさんは30代で、比較的若年ではありましたが、マラソンをされているということでしたので、まずはオーバーワークによる運動性ストレスが考えられました。さらに仕事による精神的なストレスも加わり、テストステロンの数値が下がってしまった可能性があります。その結果、テストステロン低下症になり、運動のパフォーマンスが落ちたりします。また、テストステロンが低い状態が続くと、造血が障害されるリスクがあるので、貧血リスクとなりますし、男性更年期と同様、体のだるさ、睡眠障害、メタボになりやすくになったりします」(田畑先生) ランニングや日常生活での制限 日本人男性では、遊離テストステロンを測定することが推奨されており、遊離テストステロンの基準値は、11.8pg/ml以上である。遊離テストステロンが8.5pg/ml未満では男性更年期が疑われるレベルだが、Aさんの検査時の数値は8.4pg/mlだった。運動でテストステロンが低下するメカニズムは現時点で明確化されていないが、ストレスにコルチゾールなどのホルモンの乱れ、運動による精巣へのメカニカルストレス、エネルギー不足などが関与していると考えられている。数値を改善していくために田畑先生からは、ランニングや日常生活について、いくつか制限すべきことを伝えられた。 「先生からは、運動ストレスを軽減するため、ランニングの追い込む練習、ポイント練習など強度が高いメニューを控えること。通常、適度なスポーツ活動はテストステロンを上昇させるため、ランニングをやめるのではなく、負荷を落とし、ジョグ程度のランは続けても良いとアドバイスをいただきました。それで様子を見て、改善しない場合、精神的なストレスが影響している可能性が高いのでメンタルケアをしながらホルモン補充療法を開始する方向で考えていきましょうということになりました」 悪化する症状 Aさんは、その後、ポイント練習をやめ、ジョグ主体に切り替えた。メンバーが強度の高い練習をこなして状態を上げ、レースに向かっていく姿を見ていると、走れないもどかしさを感じるようになった。焦る気持ちがよりストレスになったのか。運動時だけではなく、自宅にいてもめまいや冷や汗をかいたり、体のだるさを感じるようになった。 「徐々にいろんなことが悪化していくような気がしました」 9月の練習会に参加した時、ジョグすらできず、体が動かせなくなった。運動性ではなく、精神的なストレスの影響が大きいと感じ、心療内科のドアを叩いた。その際、以前の血液検査の結果を見せると、「テストステロンの数値が低下しているので、その治療をスタートした方がいい」と言われた。仕事も「お休みした方がいい」と言われ、診断書をもらい、会社に提出した。 再度、現状を確認しようと最初の検査から1か月後、血液検査を受けた。遊離テストステロンの数値は、前回の8.4pg/mlから7.8pg/mlに落ちていた。 「数値が落ちてきているので、ホルモン補充療法を開始しましょう」 田畑先生から、そう言われた。...
「何回もRETOをやめようと思いました」~サブ4達成、怪我からの復活430日間の戦い~
RUNNERS REAL STORY Vol.1 田中智子さん Text: shun sato モートン病発症 田中智子さんが足の指の付け根に異変を感じたのは、2022年7月だった。 最初は、違和感だけで、そのうち治るかなと楽観視していたが、9月のRETO合宿に参加すると痛みで走れず、別メニューで過ごした。 その後、普通に歩いているだけでズキズキという痛みが出て、走るどころではなくなった。10月、神野大地に相談すると、「僕が過去に経験したのと同じ症状ですね」と語り、鳥居俊先生(整形外科医)を紹介してもらった。そこで診察を受け、告げられた病名は聞いたことがないものだった。 「モートン病です」 モートン病とは、足の裏や足趾(そくし)の付け根に痛みを生じる病気だ。足趾の付け根から指先にかけて向かう神経が、足趾の付け根の部位で慢性的に圧迫されることで発症する。モートン病の発症の要因は、ヒールなど先の細い靴を履き続けたり、外反母趾など骨の形状異常が見られる人に多いが、智子さんはまさに外反母趾で苦しんでいた。 担当医からの厳しい宣告 しかも、この時、鳥居先生からは厳しい宣告を受けた 「基本的には治らないです。病気と共存していくことで走れるようになれるので、まずは注射を打ちながら様子を見ていきましょう」 注射は、痛みに応じて液剤の量を調整し、2週間ごとに打ち、治療を進めていった。しかし、1ヶ月過ぎても好転せず、2ヶ月、3ヶ月と過ぎても一向によくならなかった。足の痛みが80%ぐらいあるとすると、注射を打ち2、3日は50%ぐらいに痛みが低下する。でも、1週間ほど経過し、歩いていると、また80%に戻ってしまう 「歩くと痛みが出るので、まだまだなぁって思うと溜息が出ました。このくらいで治りますというのが見えないですし、RETOに戻れるかどうかも分からない。本当に走れる日が来るのかな。もう走れないんじゃないかなと思うと、このままRETOに入っている意味あるのかなぁとか、いろんなことを考えてしまいました」 RETOをやめるか否か 2023年に入り、マラソンシーズンになるとRETOのメンバーが自己ベストを次々と更新していった。Facebookに、マラソンで結果を出した投稿を見ていると、眩しく、羨ましく思い、なぜ自分は走れないのだろうと足を呪った。 「こんなにつらいならいっそRETOをやめようかな」 何度も、そう思った。 智子さんにとって走ることは大好きなことであり、人生にとって欠かせないものだった。その走ることができなければ、走ること以外の興味のあることや取り組みたいことに時間を費やしていこうかなとも考えた。 「でも、RETOにいる以上、走ることが仕事の次いで私の優先すべきことなので、それを取っ払ったら楽になるのかなと思いましたが、それはできかったです」 仲間と神野の支え それは、走ることが好きで、復帰への強い思いがあったからだが、同時に治療している中、寄り添ってくれた仲間の存在が大きかったからだ。状態が好転しないなか、RETOのメンバーである星綾子さん、野崎七菜子さん、長谷部裕子さんと都内で会って、話をする時間は単純に楽しくもあり、自分がチームの一員であることを思い起こさせてくれる時間でもあった。 「私は、治療している間、練習会に出ていないので、誰とも会っていなかったんです。そんな時、4人で一緒に会う機会を作ってくれて。その時、『待っているよ』とか、『頑張って』とかではなく、私の心が晴れない日々の話をただ聞いてくれて‥‥それはすごくありがたかったです」 神野の声も智子さんの支えになった。 「先生を紹介してくださった後も神野さんは何回か連絡をくださって、治療の結果とか相談させていただきました。『治らない病気はないから待っています』と、声をかけていただいたり、ほんと支えていただきました」...
「何回もRETOをやめようと思いました」~サブ4達成、怪我からの復活430日間の戦い~
RUNNERS REAL STORY Vol.1 田中智子さん Text: shun sato モートン病発症 田中智子さんが足の指の付け根に異変を感じたのは、2022年7月だった。 最初は、違和感だけで、そのうち治るかなと楽観視していたが、9月のRETO合宿に参加すると痛みで走れず、別メニューで過ごした。 その後、普通に歩いているだけでズキズキという痛みが出て、走るどころではなくなった。10月、神野大地に相談すると、「僕が過去に経験したのと同じ症状ですね」と語り、鳥居俊先生(整形外科医)を紹介してもらった。そこで診察を受け、告げられた病名は聞いたことがないものだった。 「モートン病です」 モートン病とは、足の裏や足趾(そくし)の付け根に痛みを生じる病気だ。足趾の付け根から指先にかけて向かう神経が、足趾の付け根の部位で慢性的に圧迫されることで発症する。モートン病の発症の要因は、ヒールなど先の細い靴を履き続けたり、外反母趾など骨の形状異常が見られる人に多いが、智子さんはまさに外反母趾で苦しんでいた。 担当医からの厳しい宣告 しかも、この時、鳥居先生からは厳しい宣告を受けた 「基本的には治らないです。病気と共存していくことで走れるようになれるので、まずは注射を打ちながら様子を見ていきましょう」 注射は、痛みに応じて液剤の量を調整し、2週間ごとに打ち、治療を進めていった。しかし、1ヶ月過ぎても好転せず、2ヶ月、3ヶ月と過ぎても一向によくならなかった。足の痛みが80%ぐらいあるとすると、注射を打ち2、3日は50%ぐらいに痛みが低下する。でも、1週間ほど経過し、歩いていると、また80%に戻ってしまう 「歩くと痛みが出るので、まだまだなぁって思うと溜息が出ました。このくらいで治りますというのが見えないですし、RETOに戻れるかどうかも分からない。本当に走れる日が来るのかな。もう走れないんじゃないかなと思うと、このままRETOに入っている意味あるのかなぁとか、いろんなことを考えてしまいました」 RETOをやめるか否か 2023年に入り、マラソンシーズンになるとRETOのメンバーが自己ベストを次々と更新していった。Facebookに、マラソンで結果を出した投稿を見ていると、眩しく、羨ましく思い、なぜ自分は走れないのだろうと足を呪った。 「こんなにつらいならいっそRETOをやめようかな」 何度も、そう思った。 智子さんにとって走ることは大好きなことであり、人生にとって欠かせないものだった。その走ることができなければ、走ること以外の興味のあることや取り組みたいことに時間を費やしていこうかなとも考えた。 「でも、RETOにいる以上、走ることが仕事の次いで私の優先すべきことなので、それを取っ払ったら楽になるのかなと思いましたが、それはできかったです」 仲間と神野の支え それは、走ることが好きで、復帰への強い思いがあったからだが、同時に治療している中、寄り添ってくれた仲間の存在が大きかったからだ。状態が好転しないなか、RETOのメンバーである星綾子さん、野崎七菜子さん、長谷部裕子さんと都内で会って、話をする時間は単純に楽しくもあり、自分がチームの一員であることを思い起こさせてくれる時間でもあった。 「私は、治療している間、練習会に出ていないので、誰とも会っていなかったんです。そんな時、4人で一緒に会う機会を作ってくれて。その時、『待っているよ』とか、『頑張って』とかではなく、私の心が晴れない日々の話をただ聞いてくれて‥‥それはすごくありがたかったです」 神野の声も智子さんの支えになった。 「先生を紹介してくださった後も神野さんは何回か連絡をくださって、治療の結果とか相談させていただきました。『治らない病気はないから待っています』と、声をかけていただいたり、ほんと支えていただきました」...
「応援されるのって、すごくうれしいですね」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato Cチーム(目標:フルマラソンsub 4時間00分)第6クールMVPに選ばれた松本沙耶香さん 金沢でサブ4達成 金沢マラソンでサブ4(3時間52分58秒)を達成できた時は、ようやくって思いました(笑)。 いつもはレースの2カ月前ぐらいから「よし、走ろうか」というスタイルでやっていたんです。でも、そういう感じでは、いつまでたってもサブ4は達成できなくて、RETOに入りました。 ひとりで走るのが苦手 もともと、私はひとりで走るのが苦手でした(苦笑)。金沢を走る前も月間で100キロぐらいしか走っていなくて、どう考えても足りていない。そのせいか金沢では28キロ付近ですごくキツくて、いつ歩こうかなって考えて走っていました。でも、エイドでカレーを食べたり、和菓子をいただいたりしたら、すごく元気になって後半は少し余裕をもって走れました。 RETOがブラジル遠征をサポート 私は5期目からなんですけど、RETOが私の人生に大きな影響を与えてくれています。先日、フレスコボールで日本代表としてブラジルに行ったのですが、フレスコはマイナ―スポーツですし、誰かに応援されるためにやっているわけではなかったんです。でも、RETOでクラウンドファンディングみたいな形で支えていただいてすごくありがたかったですし、応援してもらえるありがたさをすごく感じました。改めていいチームだなって思いました。 陽平さんはライバル 私のなかでは、陽平(成相)さんの存在も大きいです。同じタイミングでRETOに入ったのですが、入る前、他のラン二ングイベントで会っていて顔見知りでしたし、持ちタイムも似たり寄ったりだったので、すごく意識していました。その頃は、私の方がタイムが上だったんですけど、今はもうかなり前に行かれて、私もがんばらないといけないと思っています。そういう意味では、陽平さんはいいライバルですし、目標でもあります。 次のターゲットはサブ3.5 サブ4という目標をひとつクリアしたことで、燃え尽きてしまうのかなと思ったんですけど、全然それはなかったですね(笑)。RETOのメンバーは、PBを出しまくっているので、私も簡単にできる目標は嫌だなって思って、サブ3.5を自分のターゲットにしました。そのためには練習量ですね。これまで頑張っても月間150キロぐらいが限界でしたが、目標を決めたら達成しないと気が済まないタイプなので、陽平さんにも負けないように練習、頑張りたいと思います。
「応援されるのって、すごくうれしいですね」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato Cチーム(目標:フルマラソンsub 4時間00分)第6クールMVPに選ばれた松本沙耶香さん 金沢でサブ4達成 金沢マラソンでサブ4(3時間52分58秒)を達成できた時は、ようやくって思いました(笑)。 いつもはレースの2カ月前ぐらいから「よし、走ろうか」というスタイルでやっていたんです。でも、そういう感じでは、いつまでたってもサブ4は達成できなくて、RETOに入りました。 ひとりで走るのが苦手 もともと、私はひとりで走るのが苦手でした(苦笑)。金沢を走る前も月間で100キロぐらいしか走っていなくて、どう考えても足りていない。そのせいか金沢では28キロ付近ですごくキツくて、いつ歩こうかなって考えて走っていました。でも、エイドでカレーを食べたり、和菓子をいただいたりしたら、すごく元気になって後半は少し余裕をもって走れました。 RETOがブラジル遠征をサポート 私は5期目からなんですけど、RETOが私の人生に大きな影響を与えてくれています。先日、フレスコボールで日本代表としてブラジルに行ったのですが、フレスコはマイナ―スポーツですし、誰かに応援されるためにやっているわけではなかったんです。でも、RETOでクラウンドファンディングみたいな形で支えていただいてすごくありがたかったですし、応援してもらえるありがたさをすごく感じました。改めていいチームだなって思いました。 陽平さんはライバル 私のなかでは、陽平(成相)さんの存在も大きいです。同じタイミングでRETOに入ったのですが、入る前、他のラン二ングイベントで会っていて顔見知りでしたし、持ちタイムも似たり寄ったりだったので、すごく意識していました。その頃は、私の方がタイムが上だったんですけど、今はもうかなり前に行かれて、私もがんばらないといけないと思っています。そういう意味では、陽平さんはいいライバルですし、目標でもあります。 次のターゲットはサブ3.5 サブ4という目標をひとつクリアしたことで、燃え尽きてしまうのかなと思ったんですけど、全然それはなかったですね(笑)。RETOのメンバーは、PBを出しまくっているので、私も簡単にできる目標は嫌だなって思って、サブ3.5を自分のターゲットにしました。そのためには練習量ですね。これまで頑張っても月間150キロぐらいが限界でしたが、目標を決めたら達成しないと気が済まないタイプなので、陽平さんにも負けないように練習、頑張りたいと思います。
「自分がやりたいことで子どもたちに背中を見せていくのもありかなと思ってRETOに参加しました」...
Text: shun sato Bチーム(目標:フルマラソンsub 3時間30分)第6クールMVPに選ばれた溝上奈緒美さん 金沢マラソンで自己ベスト 金沢マラソンで、PB(3時間23分57秒)を出せたのは、本当にうれしかったですね。 8月はまだ暑かったので、ジョグをメインにまずは走ることを意識していたんですが、ちょっとのんびりしてしまっていました。9月に入ってコロナにかかって、練習会をお休みしたんです。スピードはRETOでやることを意識していたので、それができなくて焦りが生じて‥‥そこからスイッチが入ってかなり身を入れて練習するようになりました。 RETO加入の際の迷い 私は5月からRETOに入ったのですが、入る前は悩みました。マラソンはひとりで走りますし、練習も一人でするものだと思っていたので、練習をグループでやることの意義をあまり見出せなかったんです。また、2人の子どものうち、下の子がまだ低学年なので、日本の社会的にお母さんが自分の好きなことに没頭していていいのかと思いましたし、育児放棄しているような罪悪感もありました。でも、自分がやりたいことで子どもたちに背中を見せていくのもありかなと思い、参加させていただいたんです。 勢いをつけてくれたレガシーハーフ 金沢の前にレガシーハーフがあったんですけど、私にはこのレースがすごく大きかったです。限られた時間での練習とレースのなか、絶対に結果を出さないといけないと思っていました。スタートして5キロまでは激込みで、35分と時計が表示されているのを見た時はタイムラグがあるのも忘れて「ダメじゃん」って思ったんです。でも、ここで終わらせていいのか、こんなんで諦めちゃうお母さんでいいのか、子どもたちは陸上をしているんですけど、ちゃんと背中を見せないといけないと思い、なんとかPB(1時間40分57秒)を出すことができました。 子どもたちが作ってくれた金メダル 金沢は、自分で決めたキロ4分40秒のペースでいけば数字的には絶対にサブ3.5は切れる。あとは、もう自分の気持ち次第だなって思いました。金沢の当日は子どもたちの大会もあったんですが、そういうなかで行かせてもらったので、恥ずかしい結果は出せないという思いが強かったです。サブ3.5をクリアできて、子どもたちはすごく喜んでくれて、手作りの手紙やメダルを作ってくれました。3時間20分切りには届かなったんですけど、トライできたなというところで自分のなかでは大きなターニングポイントになりました。
「自分がやりたいことで子どもたちに背中を見せていくのもありかなと思ってRETOに参加しました」...
Text: shun sato Bチーム(目標:フルマラソンsub 3時間30分)第6クールMVPに選ばれた溝上奈緒美さん 金沢マラソンで自己ベスト 金沢マラソンで、PB(3時間23分57秒)を出せたのは、本当にうれしかったですね。 8月はまだ暑かったので、ジョグをメインにまずは走ることを意識していたんですが、ちょっとのんびりしてしまっていました。9月に入ってコロナにかかって、練習会をお休みしたんです。スピードはRETOでやることを意識していたので、それができなくて焦りが生じて‥‥そこからスイッチが入ってかなり身を入れて練習するようになりました。 RETO加入の際の迷い 私は5月からRETOに入ったのですが、入る前は悩みました。マラソンはひとりで走りますし、練習も一人でするものだと思っていたので、練習をグループでやることの意義をあまり見出せなかったんです。また、2人の子どものうち、下の子がまだ低学年なので、日本の社会的にお母さんが自分の好きなことに没頭していていいのかと思いましたし、育児放棄しているような罪悪感もありました。でも、自分がやりたいことで子どもたちに背中を見せていくのもありかなと思い、参加させていただいたんです。 勢いをつけてくれたレガシーハーフ 金沢の前にレガシーハーフがあったんですけど、私にはこのレースがすごく大きかったです。限られた時間での練習とレースのなか、絶対に結果を出さないといけないと思っていました。スタートして5キロまでは激込みで、35分と時計が表示されているのを見た時はタイムラグがあるのも忘れて「ダメじゃん」って思ったんです。でも、ここで終わらせていいのか、こんなんで諦めちゃうお母さんでいいのか、子どもたちは陸上をしているんですけど、ちゃんと背中を見せないといけないと思い、なんとかPB(1時間40分57秒)を出すことができました。 子どもたちが作ってくれた金メダル 金沢は、自分で決めたキロ4分40秒のペースでいけば数字的には絶対にサブ3.5は切れる。あとは、もう自分の気持ち次第だなって思いました。金沢の当日は子どもたちの大会もあったんですが、そういうなかで行かせてもらったので、恥ずかしい結果は出せないという思いが強かったです。サブ3.5をクリアできて、子どもたちはすごく喜んでくれて、手作りの手紙やメダルを作ってくれました。3時間20分切りには届かなったんですけど、トライできたなというところで自分のなかでは大きなターニングポイントになりました。
「ライバル心を持たれる存在でいたい」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato A+チーム(目標:フルマラソンsub 2時間50分)第6クールMVPに選ばれた島田和幸さん シカゴマラソンでPB達成 シカゴマラソンは、当日の気温が7℃から10℃ぐらいでした。コースはフラットでしたし、ニューヨークと同じように応援が絶え間なくてすごく独特で楽しかったです。ゴールした時は、2時間56分ぐらいで「あーベスト切れなかったなぁ」とがっかりしていたのですが、正式タイムを見たらPB(2時間55分13秒)で、びっくりました。 サブ3挑戦の際、決意したこと RETOでは、みなさんに「毎回、結果を出していますね」と言われますが、みなさんほど走っていなくて、月間300キロぐらいです。正直、なぜタイムを維持出来ているのか、自分でもよく分からないです(苦笑)。ただ、最後まで諦めないことを大事にしています。2016年、初めてサブ3を出した時、しんどいけど諦めずに走ったら達成できたのですが、その経験が軸になっています。基本的にメンタルが弱くて、けがや足の痛みを理由にDNFとか無様な走りが続くことが多かったのですが、サブ3をもう一度と思うようになって言い訳して諦めるのはもうやめようと決めました。 サブ3達成の理由 今、僕がサブ3を継続できている理由は、2点あります。一つ目は自分のフォームをチェックして、意識するようにしたことで走り方が変わってきたことです。ヘタってくるとフォームが崩れて(従来の悪いフォームになって)痛みが出たりしてダダ下がりになるのですが、そういう苦しいなかでも正しいフォームを少しでも意識すると、スイッチが切り替わったように脚が動くようになります。 違う景色が見えてくる 二つ目は、最初に突っ込まないことです。これらによって後半、周囲の景色がよく見えるようになりました。よく、「景色が良かった」と言われて、「苦しいのに景色なんて見る余裕ないだろ」と思っていたのですけど、このまま行けそうだなって思うと、ちゃんと前が見えて、景色も見えてくるのです。それが、シカゴマラソンでした。 鉄人と呼ばれること RETOは、初期のメンバーと一緒に練習しているグループの人以外は、なかなか分からなくなっているんですけど、お互いに「がんばろうぜ」と言える環境がとてもいいですね。でも、若い人らに「鉄人」って呼ばれるのは、よく分からないです(苦笑)。こんな僕に対してライバル心をみたいなものをもって、すごく頑張っているんですよ。こないだもアマネ(有本周翔)君がつくばで2時間52分を出した時かな、次の日に「シマカズ抜いてやったからな」みたいな感じで言っていたのですけど、僕からすればあれだけスピードがあるんだから、そのくらいのタイムが出て当たり前(笑)。でも、年齢関係なく、そういう対象に見られるのは良いなって思いますし、いつまでもライバル心を持ってくれるような存在でいたいですね。
「ライバル心を持たれる存在でいたい」RRCメンバーインタビュー
Text: shun sato A+チーム(目標:フルマラソンsub 2時間50分)第6クールMVPに選ばれた島田和幸さん シカゴマラソンでPB達成 シカゴマラソンは、当日の気温が7℃から10℃ぐらいでした。コースはフラットでしたし、ニューヨークと同じように応援が絶え間なくてすごく独特で楽しかったです。ゴールした時は、2時間56分ぐらいで「あーベスト切れなかったなぁ」とがっかりしていたのですが、正式タイムを見たらPB(2時間55分13秒)で、びっくりました。 サブ3挑戦の際、決意したこと RETOでは、みなさんに「毎回、結果を出していますね」と言われますが、みなさんほど走っていなくて、月間300キロぐらいです。正直、なぜタイムを維持出来ているのか、自分でもよく分からないです(苦笑)。ただ、最後まで諦めないことを大事にしています。2016年、初めてサブ3を出した時、しんどいけど諦めずに走ったら達成できたのですが、その経験が軸になっています。基本的にメンタルが弱くて、けがや足の痛みを理由にDNFとか無様な走りが続くことが多かったのですが、サブ3をもう一度と思うようになって言い訳して諦めるのはもうやめようと決めました。 サブ3達成の理由 今、僕がサブ3を継続できている理由は、2点あります。一つ目は自分のフォームをチェックして、意識するようにしたことで走り方が変わってきたことです。ヘタってくるとフォームが崩れて(従来の悪いフォームになって)痛みが出たりしてダダ下がりになるのですが、そういう苦しいなかでも正しいフォームを少しでも意識すると、スイッチが切り替わったように脚が動くようになります。 違う景色が見えてくる 二つ目は、最初に突っ込まないことです。これらによって後半、周囲の景色がよく見えるようになりました。よく、「景色が良かった」と言われて、「苦しいのに景色なんて見る余裕ないだろ」と思っていたのですけど、このまま行けそうだなって思うと、ちゃんと前が見えて、景色も見えてくるのです。それが、シカゴマラソンでした。 鉄人と呼ばれること RETOは、初期のメンバーと一緒に練習しているグループの人以外は、なかなか分からなくなっているんですけど、お互いに「がんばろうぜ」と言える環境がとてもいいですね。でも、若い人らに「鉄人」って呼ばれるのは、よく分からないです(苦笑)。こんな僕に対してライバル心をみたいなものをもって、すごく頑張っているんですよ。こないだもアマネ(有本周翔)君がつくばで2時間52分を出した時かな、次の日に「シマカズ抜いてやったからな」みたいな感じで言っていたのですけど、僕からすればあれだけスピードがあるんだから、そのくらいのタイムが出て当たり前(笑)。でも、年齢関係なく、そういう対象に見られるのは良いなって思いますし、いつまでもライバル心を持ってくれるような存在でいたいですね。